谷川連峰の中にあって唯一2000mの標高を持つ山が仙ノ倉山です。花の百名山にも選ばれた平標山と仙ノ倉山の稜線は花に恵まれた山で花の時期には花を目当てに多くのハイカーが訪れる山と言います。
平標山の登山口は関越自動車道の湯沢インターから三国峠方向にしばらく戻った所にあります。平日にもかかわらず駐車場にはすでに数台の車が停まっていました。
駐車場からは別荘地の中の道をしばらく進むと松手山の登山口です。明るい雑木林の中を登っていく道は最初から急な階段が続く登りです。しばらく階段の登りに汗を流すと展望が開ける尾根にたどり着きます。振り返ると上越周辺のスキー場、青空の下には苗場山のなだらかな頂が続いていました。
紅葉の稜線を一登りすると送電線の鉄塔にたどり着きます。鉄塔下の草原に腰をおろして小休止したのち、ふたたび明るい稜線を登って行きます。しばらく登った所が松手山です。傾きかけた三角点が建っていました。
松手山からもなだらかな笹尾根を平標山へと登って行きます。途中には木道の敷かれた砂礫の斜面や大山社の小さな石碑なども祀られていました。山頂から何処かのツアー登山でしょうか、20名ほどの一団が下ってきます。平日にもかかわらずこの山を訪れるハイカーはかなり多いようです。最後の急坂を登ると広く開けた平標山の山頂にたどり着きました。霞んでいるものの、谷川周辺の山々を一望できる開けた山頂です。
山頂で昼食をしたのち、眼の前に続く縦走路をたどり仙ノ倉山へと向かうことにします。一度木道を小さく下った所はお花畑になているようで、花の時期はたくさんの高山植物に彩られるところのようですが、この時期は枯れた花柄が残っているだけです。シャクナゲの目立つ小さな頂を越え、小さな鞍部に下ったのち登り返すと仙ノ倉山の山頂です。
仙ノ倉山も広い展望を楽しめる頂で、山頂の先からは大黒エビスノ頭、万太郎山、谷川岳へと続く稜線が続いています。
仙ノ倉山とは違い右手が切れ落ちた稜線は、伯耆大山を思い出させるような迫力を持っています。稜線には避難小屋が幾つかあるようで、避難小屋に泊まって谷川岳へと縦走するハイカーも多いようです。
山頂での展望を楽しんだのち、平標山に戻ることにします。平標山からは平標山の家経由で登山口に戻ることにしました。途中、山頂を通らず山の家に向かう道があったようですが、高山植物保護とためか廃道になっているようです。
山頂からは階段の急な坂道を下って行きます。左手には赤く色づいたナナカマドの先に大黒エビスの頭が我々を見送ってくれているようでした。
たどり着いた平標山の家は2年ほど前に改築された新しい山小屋で、お婆さんが1人、小屋番をしていました。話しによると花の時期は6月の末、その頃の土日はかなりたくさんの人がこの山を訪れると言います。小屋泊まりなら平日が良いと言っていました。
山の家からは紅葉の斜面を河内沢へと下って行きます。この登山道も階段が整理された道ですが、何処までも続く階段は登りではかなり疲れる道です。そろそろ階段も飽きるようになる頃、ようやく下りも幾分楽になったきました。雑木林の斜面がカラマツなどの林に変わってくるようになると林道にたどり着きます。ここが河内沢の登山口。さらに林道を下っていくとゲートがあります。一般車両もここまでは登ってくることもできるようです。
ここからは単調な林道歩きです。やがて別荘地の気配が近づいてくると車を停めた駐車場までは20分ほどの川沿いの道が待っていました。