六甲山~たくさんの登山コースが開かれたハイキングの山~ 


標高
六甲山 931m、東お多福山 697m
山域
近畿
登山日
2006年11月1日(水)
歩程
合計 6:07
歩行距離
10.5km
標高差
904m
累積標高差
+1,099m、-669m
登山口
芦屋川mapon
登山コース
芦屋川 -0:55→ 高座ノ滝 -0:55→ 風吹岩-0:45→ 雨ヶ峠 -1:22→ 六甲山 -1:50→ 東お多福山 -0:20→ 東お多福山バス停
コースmap
六甲山 登山コース

 

六甲山と言えば阪神タイガースの応援歌として有名な六甲颪(ろっこうおろし)を思い出す人も多いようですが、関西の人にとって六甲山は特別な山のようです。神戸の背後に位置し都市に近いこともあり、山頂まではロープウェイや自動車道路が通じて、別荘やゴルフ場などが建ち並ぶ観光地となっています。しかし江戸時代以降は、燃料としての森林伐採が進み、明治初期には地表が露出するほど荒廃み、現在の緑豊かな六甲山からは想像もできないはげ山の姿であったと言います。ロックガーデンに代表されるように、六甲山は風化花崗岩の地質のため、地表から草木が除かれ土壌が流出すると雨により崩壊しやすい進み、度々土砂災害を引き起こしたと言います。このため六甲山では植林と砂防工事が行われ、砂防堰堤は1,000ヶ所にも及ぶと言われています。

また六甲山の北側には、草津温泉、下呂温泉とともに日本三名泉に数えられる有馬温泉があります。このため六甲山を超え有馬温泉と神戸を結ぶ街道も発達し、瀬戸の鮮魚を運んだと言う魚屋道と言われる街道も往時の歴史を今に伝えるものと言います。

たどり着いた芦屋川は瀟洒な家の建ち並ぶ地方都市といったところ。芦屋はお金持ちが多いといったことを聞いた事がありますが、大きな庭を持った豪邸も目立ちます。芦屋市内の小さな駐車場に車を停め、六甲山の登山口を目指すことにします。

山行の記録

 六甲山登山口~高座ノ滝

狭い町並みの中を緩やかに登って行くと、芦屋川の開森橋にたどり着きました。ここは阪神淡路震災のとき芦屋川が決壊したところとか。川の中では今も河川の改修工事が行われていました。

紅葉が始まった芦屋川
小さなお堂の建つ高座ノ滝
岩が積み重なるロックガーデン
岩が積み重なるロックガーデン

ここからは住宅街の中を緩やかに登って行きます。住宅街が途切れると道は高座川に沿った林道を登って行くようになります。ここでも河川の改修工事が行われていました。震災が起こったのが平成7年1月17日午前5時46分。もう10年以上にもなりますがまだ震災の爪跡は彼方此方に残っているようです。しばらく林道を登って行くと暗い沢の中に小さな茶店が建つ高座ノ滝。小さなお堂の脇には10メートルほどの滝が水飛沫を上げていました。滝の落ち口近くにはロックガーデンの名前を世に広めたと言う藤木九三氏のブロンズ像がはめ込まれています。滝のそばで出会った小父さんは地元の人。六甲山にもよく登っているようで、ロックガーデンを登るコース以外にも色々なコースがあると言います。やはり地元の人にとって六甲山は阪神タイガースの応援歌、六甲降しの山というだけでなく、特別な愛着を持った山のようです。

 高座ノ滝~ロックガーデン~風吹き岩

登山道は高座ノ滝の左手から急な階段を登って行きます。潅木に覆われた稜線を登って行くとロックガーデンです。白い風化した岩の中を登る登山道はなかなか楽しげなところです。振り返ると目の前に神戸の街並みが広がっていました。しかし気温が少し高くなっているのか、薄い靄に包まれ展望は期待外れです。平日にもかかわらずたくさんのハイカーが山頂を目指しています。この山を登りなれている人も多いようで、かなりのハイペースで登っていました。

登山道から見上げる山頂
風吹岩から眺める神戸の町
明るく開けた風吹き岩
東お多福山への分岐

たどり着いた風吹岩は何時も強い風が吹きぬけるところとか。小さな岩の上に登ると目の前に神戸の街並みが開けています。振り返るとこれから登る六甲の稜線が青空の下に広がっていました。風吹岩の傍には猫の家族が住み着いているようです。黒と茶色の子猫も2匹、ハイカーが餌を上げるためなのか、野良猫にもかかわらず栄養状態も良さそうです。

 風吹岩~雨ヶ峠~六甲山山頂

風吹岩からは雑木林に覆われたなだらかな道を登って行くようになります。やがて登山道は芦屋ゴルフ場の脇を登るようになります。しばらく登ったところには小さなゲート。関東の山道では鹿避けのゲートが彼方此方にありますが、ここ六甲では野生の猪避けのゲートでしょうか。やがて登山道は雨ヶ峠という分岐点にたどり着きます。小さな東屋の建つ峠にはたくさんのハイカーが休んでいました。

峠から右手に別れる道は東お多福山に登って行く道とか。我々は本庄橋跡をたどり山頂に向かうことにします。雨ヶ峠から少し下ったところが本庄橋の跡です。トラックが1台、登山道の改修をしていました。ここからは七曲りと言われる階段が続く急な登りが始まります。標高も高くなってきたようで、付近一帯はそろそろ紅葉の盛りを向かえています。今年は寒い日が続いていないためか紅葉も今ひとつ。それでも赤や黄色に色付いたカエデやモミジが秋の深まりを教えてくれます。

紅葉が始まった登山道
車道が通る六甲山の稜線
車道には店屋さんもあります
アンテナの建つ六甲山の山頂

やがて勾配も緩やかになると車道が通る六甲山の稜線です。ここからは山頂に向かってアスファルトの坂道を登っていきます。小さな東屋を越えると広く開けた六甲山の山頂です。

小さな標柱が建つ山頂には数人のハイカーが腰をおろしていました。これから有馬温泉に下る人、尾根道をたどり芦屋川に戻る人。山の話しも地元の山の話しが多いようです。晴れていれば遠く四国の島影や紀州の山並みも望めるようですが生憎の霞みに包まれ、神戸の市街さえも良く見えません。10年ほど前のことですが、車でこの山を訪れたときは生憎の雨。我々にとってこの山は展望に恵まれない山のようです。

 六甲山山頂~東お多福山~東お多福山バス停

ススキの穂が揺れる山頂の近くのベンチで昼食の後、芦屋川に戻ることにします。山頂直下の広場には登山口で見かけた学生の集団がお弁当の最中。100人ほどもいるでしょうか。山道でこの集団に後を追っかけられたなら、結構疲れたことでしょう。急な階段を下って行くと本庄橋跡です。ここからは道を左に折れ、荒れた車道を登って行きます。たどり着いた土樋割峠から車道を離れ、稜線の上に続く登山道を登るとほどなく東お多福山の山頂にたどり着きました。

山頂は広く開けた草原
六甲山から眺める神戸の町
東お多福山の山頂
東お多福山から眺める奥山貯水池

広く開けた山頂はススキの原が広がっています。目の前には神戸の町が広がっていますが相変わらず薄い靄に包まれ展望は期待できません。振り返る六甲山の山頂も梢の間からわずかにパラボラアンテナの先が見えるだけです。

東お多福山の山頂で一休みした後、東お多福山のバス停に下ることにします。ススキの原の中を下って行く道は、雨裂ができているためあまり歩き易い道ではありません。やがて登山道は暗い雑木林の中を下って行きます。別荘地を巻いて行くのか、雑木林の中を上り下りした登山道はやがて土樋割峠から下ってくる道に出てしまいました。ここから東お多福山のバス停まではアスファルトの道を緩やかに下って行くだけです。

山で出会った花たち

この時期、登山道には目立った花を見付けることはできません。それでも本庄橋跡から急な階段を登って行く山道にはオオユウガギクやアキチョウジが咲いていました。オオユウガギクはヨメナによく似た花ですが愛知以西に咲く花とか。ヨメナに比べ花が大きいようです。

 

その他のコース・山行記録
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