丹沢の金冷しから鍋割山までのカヤトの稜線は鍋山山稜と言われています。目の前に人気の表尾根コースがあるためか、訪れる人も少なく静かな山歩きが期待できる稜線です。
新宿から小田急の電車で新松田駅へ。ゴールデンウェークの最中と言うこともあり電車はたくさんのハイカーで込み合っています。新松田の駅からは富士急のバスで寄へ。朝はどんよりと曇っていた空模様もバスが寄のバス停に着くころにはすっかり晴れ上がり、5月の太陽がむしろ暑いくらいでした。
寄りのバス停から中津川に添ったアスファルトの道を登り始めます。左手に伊勢沢ノ頭、檜岳、雨山とこれから登る鍋割山がゆるやかな山肌を見せています。川原には、たくさんのテントが建ち並び、昨日からキャンプをしたのでしょうか、朝食の煙が立ち登っています。しばらく登ると稲郷。さらにしばらくアスファルトの道を登ったところがウシロ沢です。ここの広い川原にもたくさんのテントを張られています。ここから道は右手の林の中をたどる登山道が始まります。
登山道は植林のため切り開かれた明るい斜面を登って行きます。鹿が出るのでしょうか、登山道の脇には鉄の柵が張り巡らせてあります。振り返と燃えるような新緑が沢を包んでいました。登山道は、木の桟道や飛び石をたよりに、寄沢を渡りながら徐々に高度を上げて行きます。。
清兵衛ノ沢から沢を離れ急な斜面をひと登りすると寄沢の源流です。登山道は深い沢を詰て登って行きます。沢を詰めたところから左手の小さな沢を登ると、小さな雨山峠にたどり着きました。展望は利かないものの風が吹き抜け気持ちの良い峠です。
雨山峠からは急な山道が始まります。ひと登りすると展望が開け、檜洞丸、蛭ガ岳、丹沢山がその大きな山頂みを見せてくれました。しばらく尾根道をたどると第一のクサリ場、20mほどの急な下り坂に鎖が張ってあります。ここを越えると20mほどの登りのクサリ場、最後が30mほどの急な登りのクサリ場です。ユーシン側は深く切れ落ちているますが、それほどの高度感があるとこではありません。幾つかのコブを越えると小さな地蔵が立っている鍋割峠です。右手の道を下ると寄コシバ沢沿いに寄に下ると言います。
鍋割峠から鍋割山までは急な登りが続きます。左手には木の間ごしに檜洞丸とこれに続く丹沢の山並みが広がっています。振り返ると富士山が春霞の中に霞んでいました。高度を上げていくと、ヤマザクラ、ウツギなどの低木が高山の雰囲気を見せています。
たどり着いた鍋割山頂は広く開けた草原の山頂で、茶店風の鍋割山荘が建っています。山頂からの展望はすばらしく、右手には今越えてきた、雨山峠から鍋割峠までの尾根とこれから続く雨山、檜岳、伊勢沢ノ頭。少し離れた高松山と雲間に霞む富士山。霞んだ山頂が見えるのは箱根の金時山でしょうか。正面には、相模平野とこれから下ろうとする大倉の尾根が広がっていました。
鍋割山からは大倉尾根を下り、大倉のバス停に下ることします。幾つかのコブを越えると小丸です。数組の小さな子どもを連れた家族連れが、鍋割山に向かって登ってきます。これから鍋割山に登るのでは途中で日が暮れてしまうでしょう。小丸の小さなコブを超え、大丸に向かい急な坂を登って行きます。
大丸を超えると金ヒヤシの分岐点です。塔ノ岳からのハイカーで登山道は急に人が多くなってきます。痩せた尾根をたどり降り立ったところが花立。ここのすばらしい展望を楽しみながら小休止です。左手には塔ノ岳とこれから続く新大日、行者ヶ岳の岩場と、広い山頂を持つ三ノ塔や大山の三角形の山頂。振り返ると丹沢山とこれから続く丹沢の山々。右手には大丸、小丸と鍋割山の尾根。遥か霞に中には富士山までが見えていました。
花立からは大倉尾根の赤土の斜面を下り始めるます。たくさんの家族連れが下っていますが、足も疲れているのか元気なパーティは少ないようです。急な下り坂を下ったところが小草平、さらに下ったところが掘山です。ここから続くなだらかな赤松の尾根道は、のびやかなプロムナードの道です。ここから暗い林の中を下るとやがて大倉のバス停にたどり着きました。