塩尻の霧訪山はかっとり城の城跡があったという山です。低い山にも関わらず展望に恵まれ、南アルプス、北アルプス、中央アルプス、八ヶ岳の山々を一望することができる山として何時も多くのハイカーでにぎわっている山です。また太平洋に流れる水と日本海に流れる水を分ける分水嶺で、山頂には日本中心地という標柱も立っています。
登山口は落葉松と赤松の混じった林の中の登りから。急な階段が続く急な登りに息を切らせながらかっとり城跡を目指して登って行きます。この山はマツタケの取れる山ということで登山道の脇には、「茸山につき入山禁止」の看板が設置されています。目を林の中に落とすと真っ赤なキノコが彼方此方に見付けることができます。マツタケなどが簡単に見つかるはずもないでしょうが、この山はキノコが多いことが頷けそうです。
御嶽山大権現の石碑が建つ道端で一息を入れたのち、一登りすると鉄塔の建つかっとり城址です。戦国時代の武将小笠原氏の重臣の居城と伝えられていますが、その実態はあまり判っていないようです。
かっとり城址からも展望のきかない赤松の稜線を登って行きます。急な登りは思いのほかの急坂で、なかなか足も上がってくれません。最後の急坂を登り切ると明るく開けた霧訪山の山頂です。三角点と小野神社の石祠が祀られ、日本中心地の分水嶺と書かれた標柱も立っていました。山頂からは360度の広い展望を楽しむことができます。北側には北アルプスの稜線、南側には雲に頭を隠した経ヶ岳など中央アルプスの山々、その左手には霞の中に溶け込みそうな南アルプスや八ヶ岳の山々を見渡すことができます。まさに一望千里と言われるに値する眺めです。
山頂でのひと時を楽しんだのち、往路をたどり登山口へ。山そのものが小さいこともあって12時過ぎには登山口にたどり着いてしまいました。