池上三院家の一つである照栄院にあるお堂です。妙見大菩薩を奉安するお堂で、寛文4年(1664年)に紀州徳川頼宣の夫人、瑶林院殿が夫の無事を祈願して寄進した妙見大菩薩を安置しています。現在の建物は慶応2年(1866年)に再建されました。
大田区池上にある7寺院から構成される池上七福神巡りで寿老人を祀るお寺です。また石段に咲くアジサイから紫陽花寺とも呼ばれています。
《妙見菩薩立像》大田区教育委員会
木造寄木造り、玉眼、彩色、箔押。像高43センチ。
この像を安置する厨子扉に記された銘文から、寛文4年(1664)に、徳川家康の子で紀伊徳川藩の祖である頼宣の「現世安穩後世善処」を祈念して造像されたことがわかる。
像背に、当時の本門寺貫主、日豊(1600~1669)の開眼墨書銘がある。製作年代、由来等が明確な妙見像として貴重である。
傾宣の妻、瑤林院(加藤清正の娘)が、本門寺に寄進したもので、元禄期(1688~1704)に、南谷檀林(僧侶の学校)が開設された際に、その守護の尊像として当院に移管されたものである。