不忍池を見下ろす丘の上に立つ観音堂です。京都清水寺と同じ檜舞台のお堂です。
国の指定重要文化財であり、多くのご利益もあるとされ、四季を通じてたくさんの人が訪れます。観音堂の前に植えられた月の松は歌川広重の浮世絵にも描かれていたものです。
清水観音堂は天台宗寛永寺の開山、慈眼大師天海大僧正によって建立されました。京都五条坂清水寺と同じ舞台造りで、初めは擂鉢山(東京分か会館西側の岡)に建てられましたが、元禄7年(1694)9月に現在の地に移されました。上野の山に現存する創建年次の明確な最古の建造物です。
六観音の一つ。限りない慈悲を表す菩薩で、千の慈悲の眼と千の慈悲の手をそなえ、生ある者を救うという。二七面四二臂の像が一般的。千手千眼観世音。千眼千臂観世音。
六観音は六道輪廻の思想に基づき、六種の観音が六道に迷う衆生を救うという考えから生まれたもの。地獄道 - 聖観音、餓鬼道 - 千手観音、畜生道 - 馬頭観音、修羅道 - 十一面観音、人道 - 准胝観音、天道 - 如意輪観音とされる。天台系では准胝観音の代わりに不空羂索観音を加えて六観音とする。