足柄上郡中井町にある神社です。素戔嗚尊と蓑笠神社の話が語り継がれる神社です。境内のケヤキのご神木はかながわの名木百選に選ばれ樹齢は400年と推定されています。
《蓑笠神社》中井町教育委員会の案内板
ここは井ノ口全体の鎮守と仰がれ、祭神は 素戔鳴命(すさのおのみこと)と伝えられる。
その由来は、素戔嗚命が旅の途中、蓑笠をこ の地に置いていかれたとの説や、昔、この土 地で4月1日の農具市に、蓑笠が商品の多く を占めたので、人々が「養笠の森」といった (群書類従)のが伝わった、などによると考 えられる。
以前は、4月10日が祭日であったが、近頃 は4月10日に近い日曜口になり、神楽や演芸 が催されている。この祭当日は、必ずといっ てよいほど蓑笠にふさわしくよく雨が降る。
境内には昭和59年、「かながわの名木100選」に指定された「大ケヤキ」や、文明18年(1486年) 聖護院准后道興が当神社 に参詣したときに詠んだ歌が刻まれている歌 碑がある。
《中井の昔ばなし「素戔嗚尊と蓑笠神社」》
そのむかし、天照大神のいかりにふれて、天上界から「根の国」へ追放された、素戔鳴尊が天降ったところが大山であったといわれています。
「雨降山」の別名をもっている大山は、その日も雨が降っていました。養と笠を身につけた素戔鳴尊は、山から南に向かって歩きつづけ、一夜を井ノ神の杜ですごされました。
次の朝、出立するときには雨もやみ、すばらしい天気になっていました。あまりによい天気だったので、尊は、うっかりして蓑と笠を忘れて置いていってしまいました。
それ以後、「井ノ神さん」は「蓑笠神社」と呼ばれ、また祭神として素戔鳴尊をまつるようになりました。尊は、そのあと、道を東に変え、平塚市下吉沢の八剣神社を経て、大磯町の高来神社へ向かわれたということです。
日本神話に登場する神で出雲神話の祖神とされています。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、伊弉冉尊(いざなみのみこと)の子で天照大神の弟とされています。
高天ヶ原で多くの乱暴を行ったことで天照大神が怒り天の岩戸にこもり、高天ヶ原から追放されました。出雲に下り八岐大蛇を退治し奇稲田姫命(くしなだひめ)を救ったとされています。
古事記に登場する神、伊弉冉尊(いざなみのみこと)とともに天つ神の命でおのころ島をつくって天降り、国生みと神生みを行った男神です。
黄泉国(よもつくに)の汚穢(けがれ)を禊(みそぎ)した際に、天照大神(あまてらすおおみかみ)、月読尊(つきよみのみこと)、素戔嗚尊(すさのおのみこと)などの神が生まれました。
日本神話で高天原(たかまがはら)の主神。伊弉諾尊(いざなぎのみこと)の娘。太陽神であり皇室の祖神として伊勢神宮の内宮に祭られています。
素戔嗚尊(すさのおのみこと)の乱暴に天の岩戸にこもり国中が暗闇になったという岩戸神話や孫の瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を葦原中国に降臨させた天孫降臨の神話が知られています。