神奈川宿の台と呼ばれた一帯は神奈川湊を見下ろす景勝地でした。現地の案内板によると東海道膝栗毛では「ここは片側に茶店軒をならべ、いずれも座敷二階造り、欄干つきの廊下桟などをわたして、浪うちぎわの景色いたくよし・・。茶店女の声に引かれぶらりと立ち寄り、鯵をさかなに一杯ひっかける・・」と言います。
当時から続く料亭が文久3年(1863年)創業の田中屋で、安藤広重の東海道五十三次に櫻屋と描かれていると言います。
また田中屋には坂本龍馬の妻、おりょうが働いていたと言います。明治7年、勝海舟の紹介で働き始め、英語が話せ、月琴も引くことができ外国人の接待には重宝していたと言います。