下北半島をめぐる国道338号線はアップダウンの多いことで有名な道路です。しばらく断崖の上をたどると仏ヶ浦の駐車場にたどり着きました。
雑木林の中に続く遊歩道は海岸に向かって下って行きます。急な階段を下ると白い岩にかこまれた仏ヶ浦の海岸です。
仏ヶ浦は津軽海峡の荒波が削り上げた大自然の造形で、2キロに及ぶ奇岩の連なりは見るものの心に様々な造形を結んでくれると言います。
80歳近くのお年寄りが受付をしている観光船に乗り込み仏ヶ浦を海から見物しました。如来の首、五百羅漢、一ツ仏、親子岩、十三仏、観音岩、天竜岩、蓮華岩、地蔵堂、極楽浜など極楽にちなんで名付けられた奇岩は言われてみるとなるほどと感心するものです。
ここの海は青く透きとおり海の底までが見通すことができます。白い岩にはウニがたくさん。しかしこの海は昆布などの海草が少ないためあまり身が入っていないと言います。
20分ほどの船旅を終え仏ヶ浦の散策です。白い砂浜から大きな岩の間を進むと如来の首や蓬莱山などの奇岩が目の前にそびえています。時間があればさらに奥まで行けそうですがあまり時間をかけるわけにもいきません。
船着場には大町桂月の歌碑が建っています。大町桂月は大雪山の羽衣ノ滝の名付け親としても記憶に残る大正の歌人。歌碑には「神わざ鬼の手づくり仏宇陀(ほとけうた)人の世ならぬ処なりけり」と刻まれていました。