世界測地系と日本測地系

地球は自転をしているため赤道側が膨らんだ楕円体をしています。

明治時代に採用されたベッセル楕円体に準拠した座標系と東京湾の平均海面を基準にした日本測地系を採用されていました。

しかし、VLBIや人工衛星などを利用し正確な測量ができるようになった現在では、日本測地系は正確な測地系と言えなくなりました。このため1980年に定められたGRS80楕円体、および地球の重心を中心とする座標系であるITRF94に基づいた世界測地系が多くの国で採用されています。

2002年4月から、日本測地系2000(JGD2000)を利用することになりました。

国内の地点 測地系 緯度経度 差異
緯度 経度 緯度 経度
北海道宗谷岬 日本 45°31′13.37″ 141°56′27.27″    
JGD2000 45°31′21.08″ 141°56′13.02″ 7.71″ -14.25″
東京駅 日本 35°40′40.35″ 139°46′13.72″    
JGD2000 35°40′52.01″ 139°46′02.08″ 11.66″ -11.64″
沖縄喜屋武岬 日本 26°04′31.29″ 127°40′15.60″    
JGD2000 26°04′45.84″ 127°40′08.61″ 14.55″ -6.99″

たとえば世界測地系によると東京駅周辺では緯度で北へ11.66秒、経度西に11.64秒変わったことになります。これは距離にして約450mに相当すると言います。 これに比べ北海道の最北端、宗谷岬では緯度で北へ7.71秒、経度で西に14.25秒かわることになります。

カシミールでは測地系変換でTokyo、JGD2000、Wgs84を変換表示することができます。

(注) VLBI(Very Long Baseline Interferometry:超長基線電波干渉法)
数十億光年の彼方にある電波星から放射される電波を、遠く離れた複数のアンテナで同時に受信し、その到達時刻の差を精密に計測する技術です。日本では父島にVLBI観測局があります。

 

楕円体とジオイド面

 標高とジオ緯度面

山の高さ、標高はどのように求められるでしょう。地球表面の70%は海水に覆われています。

海水面は地球の重力とつりあいながら水準面を保つことから、地球の形状をよく近似するものとしてジオイド面が定義されています。

(ジオイド面も地球の重力の偏りから世界測地系の基準となる回転楕円体とは+-100mほどの差があると言います)

日本の場合は東京の平均海水面をジオイドと定め、標高はジオイド面からの差として定義されることになります。

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