富士山五合目から吉田口へ~富士山信仰の歴史をたどり~ 


標高
富士山五合目 2,304m
山域
富士山周辺
登山日
2019年5月23日(木)、曇りのち晴れ
歩程
行動時間 6:30、歩行時間 5:25
歩行距離
12.8km
標高差
-1,430m
累積標高差
+10m、-1465m
登山口
富士山五合目mapon
交通機関
 往路:富士山五合目、 復路:富士浅間神社
登山コース
富士山五合目~佐藤小屋~馬返し~中の茶屋~富士浅間神社駐車場
コースmap
富士山五合目

 

 コースタイム


富士山五合目11:05~佐藤小屋下11:35~四合五勺・御座石12:15~四合目・大黒小屋12:25/40~三合目・見晴茶屋13:00~二合目・御室浅間神社13:20~一合目・鈴原天照大神社13:55~馬返し14:10/35~中の茶屋15:55/16:05~富士浅間神社17:15/30~富士浅間神社駐車場17:35

 

 富士山五合目~佐藤小屋~馬返し


山の会の仲間との山行は富士山五合目から富士浅間神社へと下る山行です。富士山の登山は五合目から山頂を目指すのが一般的ですが、まだ山開き始まらないこの時期は富士浅間神社から五合目を目指しトレランを楽しむ若者も多いようです。

富士吉田駅から富士山五合目へと登って行く路線バスはたくさんの外国の観光客を乗せスバルラインを登って行きます。たどり着いた五合目の大きな駐車場はたくさんの人でまさに観光地そのものに賑わいです。

最近、富士山に登山鉄道を開設しようと言う構想が再浮上しているようです。新たに就任された山梨県知事が推進されているようで、年間を通して観光に利用できる、環境にやさしいなどのメリットもあるようです。しかし自然環境を破壊する、世界遺産にふさわしいかなど登山客や観光客からも賛否両論が聞こえているようです。

富士山駅の無料駐車場は満車
小御岳神社もたくさんの観光客
観光客でにぎわう五合目
五合目佐藤小屋への道

TBSの若いレポーターがカメラ片手に取材をしていました。この時期、ザックを担いだハイカーが珍しかったのか我々にも近寄り意見を聞いていました。

浅間神社へと下って行く登山道は吉田口五合目の佐藤小屋の傍にあります。五合目の駐車場からはなだらかな車道を歩くことになります。この時期、観光用の馬が歩くことはありますが五合目から上の登山道は通行禁止、五合目のゲートも閉じられていました。

低い雲がたなびく下界は富士吉田の街並みです。青黒い針葉樹の中を下って行く登山道が見え隠れしていますレンゲツツジの花灯りは見えていません。今年はやはり花の時期が遅いようです。見上げる山頂側はまだ斜面に大きな残雪が残っています。ここから上はまだ冬の世界の中に眠っているようです。

巻き上がる雲の中に富士吉田の街並み
五合目から上は残雪が残ります
登山道は閉鎖中
佐藤小屋は営業中

佐藤小屋は年中営業している山小屋です。小屋の前には荷物を運ぶ軽自動車が何台か停まっています。

登山道は佐藤小屋の下から始まります。吉田口と書かれた道標に導かれながらコメツガの林の中を下って行きます。

ここは富士講など古くからの信仰の道として使用されていたところです。スバルラインが開通したのは昭和39年、それまでは馬返しまでは車で、五合目までは馬で登山者を運んでいたと言います。今は廃墟となった小屋もありますが古い信仰の記憶が今もこの登山道には残っているようです。

佐藤小屋の下から登山道が始まります
登山道脇に鳥居と社
車止めがある林道を横切り
五合目にたばこ屋跡

石畳が敷かれた登山道を下って行くと五合目のたばこ屋跡です。さらに下ると四合五勺の井上小屋です。富士講などの碑が彫られた大きな岩があることから御座石とも呼ばれているところです。

石畳の道を下って行きます
四合五勺には御座石
芽ぶきの始まらない道を下り
四合目・大黒小屋
四合目からは御坂山塊の山々(onMousで山名を表示)

芽ぶきも始まらない登山道を下って行くと四合目の三軒茶店です。中食堂とも呼ばれここでお昼をとることが多かったと言います。

目の前は視界が開け河口湖と秋葉台、その上に十二ヶ岳や釋迦ヶ岳、黒岳など御坂山塊の山々が青いシルエットとなって続いていました。

三合目には見晴茶があります。雪のためか建物はすっかり崩壊していました。

吉田口登山道に書かれた大黒屋
三合目・見晴茶屋は崩壊しています
三合目・見晴茶屋
車止めのある林道を横切り

さらに下ると林道を横切ることになります。マウンテンバイクなどが入り込むのか、林道わきには仰々しい車止めが設けられていました。

立派な橋を越えると二合目の御室浅間神社です。966年に建てられた富士山では最古の神社といいます。彫刻が施された玄関など立派な建物も崩壊し廃墟と化しています。近くには庚申塚や供養塔などたくさんの石碑が祀られていました。

さらに下ると一合目の鈴原天照大神社です。神仏習合の時代、富士山には大日如来が祀られていました。ここには鈴原社という大日如来を祀った社があったとされていますが明治の廃仏毀釈により天照大神を祀る神社になったと言います。

登山道には倒木もあります
二合目・御室浅間神社の崩壊して
一合五勺・レッキス
一合目・鈴原天照大神社
大きな石柱が建つ禊所
バス停もある馬返し

大きな石碑が建つ広場は禊所です。その前には石造りの鳥居と猿の石像がありました。猿は富士山出現の伝説にちなむものと伝えられるいるようです。

その先が馬返しです。富士山駅からマイクロバスが運航していると言いますが平日は運休です。20台ほどが停まれる駐車場があり、ここに車を置き五合目までトレランを楽しむ若者も多いところです。

 

 馬返し~中の茶屋~富士浅間神社駐車場


馬返しからは浅間神社へ向かい下って行くことになします。登山道は駐車場の傍から下って行くようでしたが間違って車道を下り始めてしましました。

明るい若葉色の林の中の登山道を緩やかに下って行きます。この周辺は細かい火山礫が降る積もっているところ、良く踏まれて歩きやすい下りです。

車道を下って行きます
途中から左手の登山道を下ります
レンゲツツジ、フジザクラ群生地の案内板
レンゲツツジはまだ蕾

しばらく下ると右手にフジザクラとレンゲツツジの群生地がありました。大きな案内板には中の茶屋と大石茶屋との登山道には4kmにわたる大群落があると紹介されていました。

時期が早いのか群生地のレンゲツツジは蕾の先が僅かに赤く膨らんだだけ、ここが朱色の花園になるのは6月に入ってからなのでしょう。登山道脇にはここ以外の群生地はなさそうです。木立が伸びすぎたためかも知れませんがカタログに偽りありと感じそうな群生地でした。

至頂上二里〇〇の石碑
途中で道を横切り
中の茶屋
中の茶屋で小休止

ここからも平坦な雑木林の中の下りが続きます。高度が下がってきたのか登山道脇には春の花を見付けることができます。しかし最近まで噴火をしていたは若い山と言うこともあってか、あまり花の種類は多くありません。白いつる性の花はチョウセンゴミシと言う漢方に使用されるもののようで、富士山北麓で採取した五味子が幕府へ献上されるようになったと言います。

浅間神社へ下って行きます
浅間神社へは道を右に
林の中に休憩所と案内板
吉田口登山道の案内

中の茶屋で一休みしてから富士浅間神社へ。1時間ほどの下りと思いましたが疲れ始めた足には結構きついい道のりでした。歩程は5時間半、下りだけとは言いながらそれなりに歩きごたえのある山行でした。

 

 コース GPSmap


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