日本百名山に名前を連ねる薬師岳は山頂周辺に大きなカールを持つ雄大な山です。立山から五色ヶ原を経て薬師岳へと縦走するコースは北アルプスを代表する縦走コースとして知られています。また全国に幾つかある薬師岳の中でもっとも標高が高く、立山の阿弥陀浄土に対し薬師浄土の山として古くからの信仰を集めた山です。
北陸道の立山ICから一般道に降り有峰林道に向かいました。料金所にたどり着くと22年中は通行止めとか、案内板に従い迂回路の小口川林林道で折立に向かいました。狭い林道をおよそ1時間、たどり着いた折立の駐車場はたくさんの車で一杯です。今日山に登る人の車もあるようですが、昨日山に登っていた人の車も多いようです。駐車場わきには無料のテン場もあり、ここにテントを張っている人もいるようです。
折立登山口-(1h05m)-1,630m付近-(0h40m)-三角点ベンチ1,870.6m-(1h20m)-2,133m-(0h55m)-2,250m付近-(0h15m)-太郎平小屋-(0h20m)-薬師峠キャンプ場(天泊)
歩行時間 4:35
薬師峠キャンプ場-(1h25m)-薬師山荘-(0h35m)-薬師岳-(1h25m)-薬師平-(0h30m)-薬師峠(テント撤収)-(0h30m)-太郎平小屋-(0h20m)-2,220m-(0h25m)-五光岩ベンチ2,189m-(1h05m)-三角点ベンチ1,870.6m -(1h15m)-折立登山口
歩行時間 7:30
登山口からは雑木林の急坂が始まります。テント、寝袋、食材などを詰め込んだリックサックが肩に応えます。木の根が煩い登山道にはあまり目立った花を見つけることはできません。それでもゴゼンタチバナなどに交じってギンリョウソウが咲いています。
途中お握りを食べながら一休みした後、石まじりの坂道を登って行くと三角点のある広場に出ました。ここは三角点ベンチと呼ばれるところで、遠く弥陀ケ原の上に剱岳や立山も眺めることのできるところです。
ここからは森林限界を越え、明るい草原状の尾根道歩きが始まります。登山道も良く整備されていますがゴロゴロとした石に覆われた登山道はあまり歩きやすくはありません。道端には白い米粒が目立つママコナやゴゼンタチバナなどの花。しばらく登ると白いタテヤマリンドウの花も咲いていました。
登山道はなだらかに太郎兵衛平を目指して登って行きます。それほど急な登りではないものの、折からの暑さと重たいリュックザックで牛歩の歩みを繰り返すことになります。途中で出会った2人連れの若者は水晶まで行くと言うことで25kgの大きなリュックザックを背負っていました。途中までは元気が良かったようですが山頂の手前のベンチでバテバテと言いながら休んでいました。
ようやくたどり着いた太郎平小屋のベンチには小屋泊まりの人が大勢休んでいます。昼飯の営業を行っていると言うことで醤油ラーメンを注文。山の上ということで食材は制限されているようですが大きなチャーシューも入っていて700円とは良心的です。
ここからは木道をたどり薬師峠へ向かいます。周辺はおヨツバシオガマやコイワカガミなどの咲く花畑になっています。ウサギギクなども咲いていましたがあまり花の種類は多くないようです。
小さく下った鞍部が薬師峠のテン場です。あまり大きく無いテン場ですが、ここには100張りも張れると言います。連休の最終日と言うこともあり今夜は20張りくらいのテントが張られるようです。目の前には管理棟、水洗のトイレ、水場もあり都会周辺のキャンプ場とは比べることはできないものの思ったよりは設備は良いみたいです。6時くらいに食事をすませ寝袋に入りした。真夏とは言いながら夜は結構寒かったです。
4時すぎから山頂を往復する人、テントを撤収し立山方面に縦走する人もいました。昨日であった若者は水晶岳へ向かったようです。
食事のち昼食とカッパをリュックザックに詰め込み山頂を目指します。最初は沢沿いの急な登りから始まります。心地良い沢音を聞きながら渡渉を繰り返し、急な坂道を登って行きます。大きな岩が転がる沢の源頭を越えると薬師平と言う小さな湿原にたどり着きました。木道が敷かれた湿原からは目の前にまだ雪渓を頭に残した黒部五郎岳、その先に頭を持ち上げるのは槍の尖塔のようです。