奥久慈男体山~奥久慈の岩峰は古い信仰の匂いが残るところ~ 


標高
男体山 653.8m
山域
茨城
登山日
2010年4月20日(火)
歩程
登り1:25、下り1:05、合計2:30
歩行距離
4.5km
標高差
420m
累積標高差
+570m、-570m
登山口
大円地駐車場mapon
交通機関
 常磐道那珂ICから37km
登山コース
大円地~大円地越~男体山(往路を戻る)
コースmap
奥久慈男体山 登山コース

 

山行の記録

 コースタイム詳細

大円地-(0h55m)-大円地越-(0h30m)-男体山-(0h30m)-大円地越-(0h35m)-大円地

 

 大円地~大円地越~男体山

奥久慈の大子町の南西にそびえる男体山はそそり立つ岩壁に囲まれ、古くから山岳信仰の対象として修験者を集めてきた山です。山麓の集落の名である大円地が、大円鏡智(修行の後で会得する万物を照らし出す鏡のような知恵)に拠っているように、付近一帯は修験道の名残を今も留めているところです。

常磐自動車道の那珂インターから一般道を北上すると上小川の集落です。狭い集落の中の道を登って行くと大円地の集落にたどり着きました。トイレもある駐車場には平日にもかかわらずすでに地元ナンバーの車が停まっていました。

今が盛りの桜の花に囲まれた大円地山荘の脇から男体山の山頂を目指します。さらさらと流れる小川の脇を少し進むと健脚コースと一般コースの分岐です。

大円地山荘から見上げる男体山
そびえ立つ櫛ヶ峯

登山道は沢沿いの杉林の中をジグザグを切りながら登って行きます。空は曇っているものの優しい若葉に包まれた登山道は心地の良い登り。道端に目を落とすとネコノメソウやミミガタテンナンショウが春の日を浴びていました。

やがて左右に迫る岩峰を見ながらニリンソウの咲く沢沿いの道を登ると大円地越です。ここにはあずま屋が建っていた記憶がありますが今は丸太のベンチがあるだけ。あずま屋の柱はベンチになってしまったようです。

ここからは雑木林の稜線歩きが始まります。小さく登ると視界が開け芽ぶきも始まっていない梢の先に男体山の山頂が見えて来ました。稜線をたどる登山道は絶壁の渕を登って行くようで、目の前には霞んだ大円地の集落が広がっています。

一般コースと健脚コースの分岐
ジグザグを切りながら大円地越えへ
大円地越にはあずま屋の跡
明るい稜線の先に山頂

急な稜線をひと登りすると一等三角点がある男体山の山頂です。切り立った絶壁の上に祀られた小さな石祠は男体山神社の奥ノ院。風化が進んでいるのか鉄柵が廻られされた祠の傍は立ち入り禁止になっています。

以前この山頂を訪れた時、周囲は雑木林に覆われ視界は全く利かなかったことを覚えています。その時、山頂で出会った初老に夫婦は宇都宮の人で、トレーニングのため水をリュックに詰めて登っていると話していたのが記憶に残っています。今、我々も同じような年頃になったのかもしれません。

木立の先に男体山の山頂
山頂直下にも大きなアンテナ
絶壁の上に祀られた男体山神社の石祠
一等三角点のある男体山の山頂

 男体山~大円地

男体山からは往路をたどり大円地に戻ることにします。登るときはあまり花も開いていなかったニリンソウの群落は、午後の日を浴びて真っ白な花を広げていました。

大円地の登山口には大円地山荘があります。以前この山に登った時、店先の柿の木に取り残した実が赤くなっていたのが記憶に残っています。今ここは満開の桜の花に彩られまさに春爛漫。振り返ると男体山の岩壁が桜の花の先に覆いかぶさるようにそびえていました。

大円地山荘では手打ち蕎麦を賞味できるとか。黒く煤けた天井の店に入ると気さくなおばさんが色々と話をしてくれます。雪の日に写した男体山、秋の男体山などやはり男体山の傍でなければ撮れない写真が掲げてありました。

山頂から見下ろす大円地の山里
大円地山荘から振り返る男体山

店前で満開の桜を見ながら名物と言う刺身こんにゃくを賞味。生姜が効いていてとても美味しかったです。手打ちと言うざる蕎麦もまたなかなかの美味。これは秋にもう一度訪れてみなければならないようです。

山で出会った花たち

春の遅い奥久慈も今を盛りの咲く桜の花に彩られまさに春爛漫。登山道にはヤマネコノメやマムシグサなど春の野山を飾る花が咲き始めていました。

 

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