東ヌプカウシヌプリ~然別湖の湖畔にそびえる小さな頂きはナキウサギの住む山~ 


標高
東ヌプカウシヌプリ 1,252.2m
山域
北海道
登山日
2009年8月9日(日)
歩程
登り1:00、下り1:05、合計2:05
歩行距離
2.7km
標高差
322m
累積標高差
+354m、-354m
登山口
白樺峠mapon
交通機関
 十勝清水から39km
登山コース
白樺峠登山口-1:00→東ヌプカウシヌプリ-1:05→白樺峠登山口
コースmap
東ヌプカウシヌプリ 登山コース

 

山行の記録

 白樺峠~東ヌプカウシヌプリ

十勝平野を一望する扇ヶ原展望台、ここから然別湖へと向かう峠の傍に東ヌプカウシヌプリと西ヌプカウシヌプリの二つの頂きが頭を持ち上げています。ヌプカウシヌプリはアイヌ語で「野の上にいる山」という意味があるとか、十勝平野の外れに頭を持ち上げる様はなるほどと頷くことができそうです。

またこの山は氷河期の生き残りと言うナキウサギの住む山としても知られています。山肌に広がるゴロゴロとした岩の間には遅くまで雪が残っていることから、寒冷な気候を好むナキウサギの生活環境に適しているためと言われています。

雄大な牧場や畑が広がる中を然別湖へ向かうと扇ヶ原の展望台です。晴れていれば十勝平野を一望できる展望台も、巻きあげる雲に包まれ展望は期待できません。展望台から少し登ったところが東ヌプカウシヌプリの登山口である白樺峠です。

白樺峠の登山口
苔むした岩の間から冷気が

白樺峠の周辺は短い北海道の夏を彩る花が咲き乱れるお花畑です。チシマフウロウ、ハクサンシャジンなど交じって秋の花であるオミナエシも黄色の花を付けています。早い北海道の秋はすぐ目の前にやってきているようです。

ジグザグに高度をあげハイマツが目に付くようになると稜線の一角にたどり着きました。ここからは傾斜も緩やかになり、明るいシラカバの林の中を緩やかに登って行く道が続きます。しかし木立にさえぎられ展望は望めません。

登山道の脇にはハクサンシャジンのほか真っ赤な実を付けたチシマヒョウタンボクを見つけることができます。枝先に咲いた2つの花がくっ付きヒョウタンのように見えることから名付けられたと言います。

急な樹林帯を登って行くと稜線です
稜線は白樺の林の中

たどり着いた山頂はシラカバ林に囲まれた小さな広場と言ったところで、山頂を示す道標の脇に2等三角点が立っていました。

山頂から南東側に下って行く踏み跡の先は高茎草原のお花畑となっています。晴れていれば十勝平野が一望できるところと言いますが雲が巻き上がり展望は期待できませんでした。ガイドブックなどによるとナキウサギの見られる岩場はこの先にあるようです。

東ヌプカウシヌプリの山頂
山頂から眺める然別湖周辺の山

山頂で昼食を済ませたのち、車を停めた白樺峠へ下ることにします。途中、見上げるエゾマツの梢の先にエゾリスを見つけました。

白樺峠からは然別湖へ。ここで一休みしたのち近くのくったり温泉で汗を流していくことにします。この温泉はトムラウシ登山のベースとなっているところで、畑の真ん中の温泉としてはかなりたくさんの人が訪れているようです。登山学校もあるようでフリークライミング用の人工壁もありました。

山で出会った花たち

白樺峠の周辺は草原はお花畑になっています。チシマフウロウやハクサンシャジンなど夏の野山を彩る花々とオミナエシやエゾリンドウなど秋の花が一緒に咲いていました。北海道の短い夏は足早に過ぎ去ろうとしているようです。

 

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