船形山~山形県の県境に位置する船形火山群の主峰~ 


標高
船形山 1,500.2m
山域
東北
登山日
2007年8月10日(金)
歩程
登り1:50、下り2:30、合計4:20
歩行距離
7.1km
標高差
470m
累積標高差
+504m、-504m
登山口
大滝キャンプ場mapon
交通機関
 東北道大和ICから32km
登山コース
大滝キャンプ場 -1:10→ 1,290m -0:40→ 船形山山頂 -1:30→ 升沢小屋 -1:00→ 大滝キャンプ場
コースmap
船形山 登山コース

 

船形山は宮城県と山形県の県境に位置する船形火山群の主峰で、山形県側では御所山と呼ばれています。山の形が船の形に似ているためこの名が付けられたようで、山頂には船形山神社の祠が祭られています。船形山に山腹を取り巻く紅葉が美しい山で、紅葉のシーズンにはたくさんの登山客でにぎわう山です。また優しい山容の稜線からは月山をはじめとし、南には蔵王、北には鳥海山の展望も開けると言います。

登山道は山形側からは荒神コース、観音寺コースや層雲峡コース、仙台側からは升沢コース、泉ヶ岳コースなどのたくさんのコースが開かれているようですが山が深いこともあり、6時間近くの行程が必要と言います。今回は比較的簡単に山頂に立てると言う大滝キャンプ場から山頂を目指すことにしました。

東北自動車道の大和ICで一般道に降ります。ナビの案内に従い青々と生い茂った田んぼの中の道を走っていきます。やがて道は農道を離れ、荒れた砂利道の林道を登るようになります。林道を走ること15kmほど。突然現れた舗装道路を登って行くと、大滝キャンプ場の広い駐車場にたどり着きました。紅葉の時期にはたくさんの車でにぎわうと言うキャンプ場も平日のためか人影もありません。

山行の記録

 大滝キャンプ場~船形山山頂

登山道は雑木林の中を緩やかに登り始めます。ほどなく道は三光ノ宮へと登る道を左にわけ、湯谷地と呼ばれる湿地に差し掛かります。ぬかるんでいる道に気を使いながら雑木林の中を緩やかに登って行くと眺望所。木立の先に仙台方面の展望が広がっていました。

眺望所からは登山道も傾斜を増し、固定ロープが張ってある所もあります。しばらく登ると右手に鏡ヶ池へと別れる道があります。ここから少し登った道端で小休止です。かなり気温が上がっているためか、日光を遮ってくれる雑木林の中の登山道でも、暑さはかなり応えるものです。途中の道端に腰を下ろし小休止とします。

小休止の後、急になりはじめた登山道を登っていきます。明るくなった登山道に汗を流しながら、正面に見える稜線に向かって登って行くます。やがて視界が開けてくると展望所と言われるところ。振り返ると霞んだ田園風景が広がっていますが何処がどの町か、初めて訪れる山ではよく判らないものです。

人気もいない大滝キャンプ場
湯谷地からは船形山の山頂が
雑木林の中の眺望所
県界尾根には御来光岩

さらにしばらく登ると県境尾根。御来光岩と言われる大きな岩が立っていました。ここから山頂まではハイマツの稜線の上を300mほど。途中、近郊の人と言う夫婦連れに会いました。久しぶりに登ったこのコースは以前に比べ荒れていると話ていました。

たどり着いた山頂は広く開けたところで、一等三角点と船形山と記された大きな標柱が建っています。雲は多いながらも山頂からは360度の広い展望が開けています。


山名表示 ※クリックすると山名を表示・非表示します。
船形山山頂からの展望 (PanoramaMakerで合成)

正面には続く岩峰は天童市郊外の黒伏山でしょうか。遠く雲の下には月山が霞んでいるようですが、あまり良くは見えません。目を左に転ずると蔵王の大きな山並み。以前登ったことのある苅田岳から屏風岳へと小さな稜線が続いています。空気が澄んだ日には北方向には鳥海山も見えると言いますが、夏空に溶け込みその姿を見せてくれません。山頂の一角に腰をおろして少し早いが昼食にしました。

広く開けた船形山の山頂
整備された山頂の避難小屋
山頂から眺める蔵王の山々
正面の岩峰は天童市郊外の黒伏山

 船形山山頂~升沢小屋~大滝キャンプ場

升沢小屋方面から登って来た人が数人。話によるとコースはそれほど荒れていないと言うことで、帰路は升沢小屋を経て大滝キャンプ場に降りることにします。

山頂からはハイマツ帯のお花畑の稜線を緩やかに下っていきます。風の吹きつける山頂一帯はお花畑になっています。ミヤマシャジンにまじってコケモモなども咲いていました。

やがて登山道は稜線を離れ急な坂道を下っていきます。階段が整備されていますが、土砂が流出したのか、ほとんどの階段が壊れています。やがて登山道は枯れた沢を下って行くようになります。所々に赤いペンキの矢印があるものの、所々にある案内板も壊れたりしている道です。

しばらく下ると浅い沢の徒渉を繰り返しながら沢を下るようになります。沢登りと言うほどではないもの、雨に後で増水したときは辛そうなところです。東北の登山道は関東周辺などに比べまだまだ整備されていない道が多いようです。

強い風が吹き抜けるお花畑
升沢への下りは沢の中
真新しい升沢小屋
三光ノ宮への分岐点

しばらく徒渉を繰り返しながら沢を下って行くと、赤い屋根の升沢小屋にたどり着きました。この避難小屋は最近改修されたようで、下界は暑いのでこの山小屋に泊まりに来たと言う初老のハイカーが一人、我々の後を下って来た単独行のハイカーと一緒に東北の山の話をしてくれました。山頂で月山が見えたと話をしたら晴れていれば普通のこととか。それほどこの山は展望には恵まれているようです。ここ船形山のお勧めルートは升沢コース、船形山神社近くの登山口から三光ノ宮を経て升沢を登るコースと言います。近くの泉ヶ岳へと続く縦走路もあると言います。

升沢小屋からはなだらかに続く登山道を三光ノ宮の分岐へ。黒い雲が空を覆い始めてきたので三光ノ宮には立ち寄らず、小荒沢へと下っていきます。硫黄の匂いがする小荒沢から登り返すと三光ノ宮への分岐点。車を停めた登山口は目の前でした。

山で出会った花たち

紅葉で有名な船形山も山頂周辺にはたくさんの花が咲くお花畑が広がっています。岩陰にはミネウスユキソウの群生。ここに咲くシャジンは萼に鋸歯がないことからミヤマシャジンでしょうか。白いシオガマはシオガマギク。トモエソウは花穂の先端にだけ花が咲くと言うので、ここのシオガマはシオガマギクのようです。花の時期にはイワカガミやイワベンケイなども咲いているようですが、すでに枯れた花柄が風に揺れているだけです。

 ミヤマシャジンか
 ミヤマシャジンか
 シオガマギクか

強い風が吹き抜けるお花畑に咲くトウヒレンは何と言う種類でしょうか。東北に咲くトウヒレンにはオクキタアザミ、センダイトウヒレンなどの固有種があると言います。花の感じでは鳥海山の固有種であるオクキタアザミに似ているようですが素人には良く判らないのが現状です。

升沢をしばらく下った流れの傍にタマガワホトトギスを見付けました。黄色いホトトギスは珍しいものです。また秋の花でお馴染みのヤマトリカブトも紫色の花を付けていました。

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