草津白根山~コマクサの咲く稜線から本白根山へ~ 


標高
白根山(湯釜展望台) 2,150m 、逢ノ峰 2,110m、本白根山(展望台) 2,164.5m
山域
草津
登山日
1994年6月18日(土)
歩程
合計 3:25
歩行距離
6.5km
標高差
156m
累積標高差
407m、-407m
登山口
白根山駐車場mapon
交通機関
 上信越道碓氷軽井沢ICから68km
登山コース
白根山駐車場 -0:10→ 湯釜展望台 -1:35→ 本白根山展望台 -0:45→ 弓池湿原 -0:55→ 白根山駐車場
コースmap
草津白根山 登山コース

 

温泉と火山で有名な草津。この温泉街から志賀高原にかけては、深田久弥氏の日本百名山の一つにも数えられた草津白根山を中心とする火山と池塘の高原ルートです。草津白根山は今も火山活動が盛んな白根山と、すでにコメツガなどが山腹を覆い始めた本白根山、その中間に位置する逢ノ峰の総称です。また近くには池塘などが点在する弓池湿原が広がっています。先週から梅雨に入ったようですが、どうやら今年の梅雨はカラ梅雨のようです。今日も薄雲は広がるものの雨の心配は少ないと言います。

関越自動車道、上信越自動車道を乗り継ぎ、碓氷軽井沢のインターへ。ここから浅間山の山麓を巻くように登って行く国道146号線をたどり草津の温泉街へ向かいます。

草津の温泉街を抜けると昨年まで有料であった志賀草津道路。幾つかのカーブを繰り返すと殺生河原です。ツーンと鼻をつく硫黄の臭いを漂わせながら、岩の間からモクモクと白煙が上がっています。草木も生えていない風景はまさに殺生河原と呼ぶのにふさわしい眺めです。しばらくカーブを繰り返すとやがて大きな白根レストハウスの駐車場にたどり着きました。

山行の記録

 湯釜展望台

駐車場に車を停め、まずは湯釜を目指すこととします。良く整備されている遊歩道には不釣り合いの避難壕は、白根山が今も活発な活動を続ける火山であることを思い出させてくれます。たくさんの観光客に混じりながら展望台に立つと、目の前にエメラルドグリーンの水をたたえた湯釜が横たわっています。夏場には25度ほどの温度になるという湯釜は、池塘というよりはむしろ温泉に近い酸性の火山湖。その水面の色も火山湖独特の色をしています。白根山の名を象徴するかのように、火口壁の白さが際立っていました。

コバルトブルーの水をたたえる湯釜
湯釜展望台から振り返る逢ノ峯

 湯釜展望台~逢ノ峰~本白根山(展望台)

湯釜からは一度駐車場に戻り、小さな東屋の建つ逢ノ峰の山頂を目指すことにします。木の階段が続く遊歩道に汗を流しながら振り返ると、湯釜への遊歩道を登る観光客が蟻のように連なっています。しかし逢ノ峰へと足を向ける人はほとんどいません。たどり着いた山頂は冬が来るとゲレンデに変わる所のようで、リフトがひっそりと冬の出番を待っていました。

逢ノ峰の山頂からは本白根スキー場のロープウェイ駅へと下って行きます。ロープウェイは定期点検中のようで、ひっそりと静まり返っていました。ここからはコメツガの林の中の登山道を緩やかに登り始めます。やがてクマザサの明るい稜線に出ると木道も現われ、どこか尾瀬の三平峠を思わせるような心地よい登山道。やがて登山道は本白根山の古い火口壁の縁を緩やかに下って行きます。火口原一帯はハイマツやミネヤナギなどの潅木が中心の岩礫地で、岩影にはピンクのコマクサが気品のある花を付けています。登り返した展望台で昼食としました。

湖底に亀甲模様が見える鏡池
乾燥化が進んだ弓池湿原

 鏡池~弓池湿原

昼食の後、鏡池のほとりをたどりロープウェイ駅へと戻ることとします。登山道から見下ろす鏡池は、湖底の土砂が亀甲の模様に見える珍しい火山湖とか。展望台の指導標の説明によると、遅い雪解けが湖底の土砂を動かし、このような亀甲模様を見せてくれると言います。道端には白い花を付けるオオカメノキ。ミネザクラが最後の花をほころばせています。やがて登山道はスキー場を右手に見ながらロープウェイの山頂駅へとたどり着きました。ここからは車道をたどり白根山レストハウスの建つ駐車場へ戻ることとします。

たどり着いた駐車場からは、目の前に広がる弓池湿原を散策して行くこととします。木道の続く湿原は弓池を始めとする幾つかの池と池塘の点在する高層湿原です。すでに乾燥化が進んでいるようで、クマザサが湿原に張り出していました。それでも湿原の中程には白いワタスゲが風に揺れていました。

山で出会った花たち

逢ノ峯から本白根山にかけての稜線にはお花畑が点在していました。なかでも多いのがコイワカガミ。真っ赤な特徴のある花と艶やかな葉は遠くからでも実によく目立つ花です。本白根山の岩礫地には高山植物の女王の名を持つコマクサが咲いていました。他の草花がまだ生えない岩礫地に、馬の顔に似たピンク色の花を風に揺らせていました。

 コマクサ
 コイワカガミ
 ツマトリソウ

 

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