長岩屋山天念寺(川中不動) 


 寺社の種類:天台宗の寺院
 創建の時期:養老2年(718年)仁聞菩薩が開基
 所在地:大分県豊後高田市
 訪問日:2011年6月3日

 

国東半島は石仏の里とも呼ばれたくさんの石塔や石仏が立ち並ぶところです。国東塔と呼ばれる独自の形状をした石塔や磨崖仏など、それを取り巻くように国東の人々に根付いた信仰が息付いているところです。

天念寺は川中不動とも呼ばれ、大きな岩壁の下に茅葺造りの講堂と六所権現(身濯神社)の社が並んでいます。

大きな岩の下に天念寺
修正鬼会の舞台となる講堂
六所権現の社
身禊神社の扁額が掲げられています
岩屋の下には真っ赤な社殿
岩に掘られた磨崖仏

天念寺は鬼会(おにえ)の寺として知られています。鬼会は旧正月七日の夜、六郷満山寺院から集まった役僧たちの読経に始まり、長さ4mあまりの大たいまつに点火され勇壮な鬼の法舞が行われる行事です。

講堂の中には大きな松明、軒に掲げられたビデオでは鬼会行事が紹介されていました。

岩に掘られた磨崖仏
六ヶ所神社には大きな絵馬
天念寺の講堂
本尊は薬師如来
鬼会を紹介するビデオ
鬼会の大松明

長岩屋川の中には大きな岩に不動明王像が彫られています。制多迦童子矜羯羅童子を従えた不動明王は水害から守る願いを込め祀られたものと言います。

長岩屋川の中に川中不動
童子を従えた不動明王
旧国宝堂跡
天念寺の裏山に無明橋

天念寺の裏にそびえる天念寺耶馬と呼ばれる岩山は峰入が行われるところで、切り立った頂の先には無明橋と呼ばれる石橋がかかっていました。

 天台宗(てんだいしゅう)

法華経を根本経典とする大乗仏教の一派。575年隋の智顗(ちぎ)が天台山にこもって大成。日本へは奈良時代に唐僧鑑真(がんじん)が初めて伝え、平安初期に最澄が比叡山に延暦寺を建て開宗。のち山門派と寺門派、さらに真盛(しんぜい)派に分かれた。

 

 仁聞・人聞(にんもん)仁聞菩薩(にんもんぼさつ)

奈良時代の僧。8世紀はじめ豊前・豊後の六郷山をひらいたと伝えられる。また宇佐神宮の神が人聞菩薩としてあらわれたものとする説もある。

 

 釈迦(しゃか)釈迦如来(しゃかにょらい)

仏教の開祖。世界4聖の一人。ネパール南部の釈迦族の王子として紀元前6から前5世紀に生まれる。苦行ののち悟りをひらきインド各地で布教して80歳で没したとされる。

はじめは実在の釈迦をさしたが入滅後、超人化・神格化されて信仰・崇拝の対象となる。日本には6世紀、百済からその教えがつたわった。

 

 薬師如来・薬師瑠璃光如来(やくしにょらい)

東方浄瑠璃世界の教主。人々の病患を救うとともに悟りに導くことを誓った仏で医薬の仏として信仰される。右手に施無畏印(せむいいん)を結び、左手に薬壺(やっこ)を持つ。脇侍に日光菩薩と月光菩薩、眷属として十二神将が配される。

 

 国東塔(くにさきとう)

大分県国東半島を中心に分布する宝塔の一種。一般の宝塔が台座を有さないのに対して、国東塔は基礎と塔身の間に反花または蓮華座、ものによっては双方からなる台座を有するのが外観上の特徴。納経、家門繁栄祈願、墓標、逆修(死後の冥福を祈って仏事を行うこと)など目的で建立された。

 

 磨崖仏・摩崖仏(まがいぶつ)

自然の岩壁を利用し彫刻された仏・菩薩像。日本には奈良時代に伝わった。宇都宮の大谷、臼杵の臼杵磨崖仏などが名高い。

 

 不動明王(ふどうみょうおう)

五大明王・八大明王の主尊。悪魔を下し仏道に導きがたいものを畏怖せしめ、煩悩を打ちくだくと言います。

忿怒の姿で火焔の中にあり、右手に剣、左手に索縄を持ち、心の内外の悪魔をはらうとされています。

 

 制多迦童子(せいたかどうじ)

不動明王の脇侍で矜羯羅童子(こんがらどうじ)と対になる。不動八大童子のひとり。性悪をあらわすものとされ像はおこった紅蓮の顔につくられる

 

 矜羯羅童子・金伽羅童子(こんがらどうじ)

八大童子の一。制?迦童子(せいたかどうじ)とともに不動明王の脇侍。像は童形に表され合掌して金剛杵(こんごうしょ)を親指と人さし指の間に横に挟んでいる。

 

 鑑真(がんじん)・過海大師・唐大和上(とうだいわじょう)

中国、唐代の高僧。日本律宗の開祖。揚州大明(たいめい)寺で戒律を講じ名声があった。742年日本僧栄叡(ようえい)らの請に応じて来日を志したが海賊や風波の災で5度挫折の後、754年渡来した。

 

 最澄(さいちょう)・伝教大師

平安初期の僧。767~822年。天台宗の開祖。比叡山に入り根本中堂を建立。延暦23年(804年)空海とともに入唐し翌年帰国した。

 

 矜羯羅童子・金伽羅童子(こんがらどうじ)

八大童子の一。制?迦童子(せいたかどうじ)とともに不動明王の脇侍。像は童形に表され合掌して金剛杵(こんごうしょ)を親指と人さし指の間に横に挟んでいる。

 

 制多迦童子(せいたかどうじ)

不動明王の脇侍で矜羯羅童子(こんがらどうじ)と対になる。不動八大童子のひとり。性悪をあらわすものとされ像はおこった紅蓮の顔につくられる

 

 不動明王(ふどうみょうおう)

五大明王・八大明王の主尊。悪魔を下し仏道に導きがたいものを畏怖せしめ、煩悩を打ちくだくと言います。

忿怒の姿で火焔の中にあり、右手に剣、左手に索縄を持ち、心の内外の悪魔をはらうとされています。

 

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