西国観音霊場33番 谷汲山華厳寺 


 寺社の種類:天台宗のお寺
 本尊:十一面観世音菩薩(秘仏)
 創建:延暦17年(798年)、開基:大口大領、豊然上人(開山)
 所在地:岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲徳積23
 訪問日:2007年5月16日

 

谷汲山華厳寺は西国三十三観音霊場、満願の寺です。西国観音霊場の中では近畿以外にある唯一のお寺です。

本堂の裏には四天王像が祀られています
華厳寺の山門
山門には千社札が貼っています
山門に奉納された大きな草鞋
山門の仁王像

参道の両側にはたくさんの奉納灯籠。しばらく参道を進むと左右に塔頭が建っていました。

山門の仁王像
境内の案内図
参道にはたくさんの塔頭が建っています
境内に建つ古びたお堂

急な階段を登ると古びた本堂が建っていました。ここは満願の寺と言うこともあり、朝からたくさんの参拝客が訪れています。

団体の世話をしているのか、たくさんの掛け軸を持った中年の人が忙しく納経をしていました。納経を受け付けている僧侶も3人、かなり忙しそうです。仏前の経机にはたくさんの写経が積まれていました。

参道には古びた経堂
たくさんの経典が収められているようです
勢至菩薩像と観音像
急な石段には白い奉納旗
華厳寺の本堂
本堂
本堂は時代を感じさせる建物
時代を感じさせる偏額

ここでは戒壇くぐりが出来ると言います。さっそく中に入ると真っ暗。途中までは手すりがあるものの、しばらくすると真っ暗の中を壁伝いに進まなければなりません。後ろから入ってきた中年の小母さんはかなり大きな声で騒いでいました。おそらく地獄の世界とそれからの再生を体感させるのでしょう。

線香やろうそくの煤で黒くなった本堂
鐘楼
お札が貼られた水かけ観音
おいづる堂
おいづる堂の隣には子育て観音

本堂に裏手には水かけ観音、その左手にはおいずる堂があります。観音巡礼のおいづる、菅笠や納経帳、それと写経などを納めるお堂のようで、正面の観音像がうずもれるほど積み重ねられていました。

子供の幸せを祈って千羽鶴が
紅葉の新緑がきれいな満願堂

その左手には子育て観音。さらにその奥には満願堂がありました。満願の石灯籠とその手前に大きな腹を出した狸の石像。華厳寺と狸は何か関係があるのでしょうか。

タヌキの置物が置かれた満願堂
十一面観音が祀られた満願堂
満願堂にはなぜか大きな狸の石像
参道には壊れかけた石塔

ここからは右に登って行く道は奥ノ院へと続く道です。松の木の根が道に張り出した山道を登って行くと道の左右には三十三観音霊場に因んだの小さな祠が建っています。

祠の数を数えながら山道のような急な登りに汗を流します。この道は自然歩道の一部のようですが歩く人も少ないようです。急な登りに息を切らせると赤い屋根の奥ノ院にたどり着きました。

山道を登ってたどり着いた奥ノ院
三十三観音霊場に因む石仏が祀られています
塔頭の一つ、水琴窟がありました
陀羅尼を祭る華厳寺の塔頭
満願堂・おいずる堂の納経印

 

関連記録・コース

 天台宗(てんだいしゅう)

法華経を根本経典とする大乗仏教の一派。575年隋の智顗(ちぎ)が天台山にこもって大成。日本へは奈良時代に唐僧鑑真(がんじん)が初めて伝え、平安初期に最澄が比叡山に延暦寺を建て開宗。のち山門派と寺門派、さらに真盛(しんぜい)派に分かれた。

 

 十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)

六道を教化する六観音の一つ。11の顔と2臂または4臂をもった姿の観音。

 

 西国三十三観音霊場・西国三十三ヶ所

近畿地方を中心に散在する33ケ所の観音霊場。花山法皇の巡礼を創始とすると伝えられる。室町時代から民間人の参拝が増え、江戸時代に盛んとなった。

 

 西国三十三観音霊場・西国三十三ヶ所

近畿地方を中心に散在する33ケ所の観音霊場。花山法皇の巡礼を創始とすると伝えられる。室町時代から民間人の参拝が増え、江戸時代に盛んとなった。

 

 鑑真(がんじん)・過海大師・唐大和上(とうだいわじょう)

中国、唐代の高僧。日本律宗の開祖。揚州大明(たいめい)寺で戒律を講じ名声があった。742年日本僧栄叡(ようえい)らの請に応じて来日を志したが海賊や風波の災で5度挫折の後、754年渡来した。

 

 最澄(さいちょう)・伝教大師

平安初期の僧。767~822年。天台宗の開祖。比叡山に入り根本中堂を建立。延暦23年(804年)空海とともに入唐し翌年帰国した。

 

 六観音(ろくかんのん)

六観音は六道輪廻の思想に基づき、六種の観音が六道に迷う衆生を救うという考えから生まれたもの。地獄道 - 聖観音、餓鬼道 - 千手観音、畜生道 - 馬頭観音、修羅道 - 十一面観音、人道 - 准胝観音、天道 - 如意輪観音とされる。天台系では准胝観音の代わりに不空羂索観音を加えて六観音とする。

 

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