西国観音霊場24番 紫雲山中山寺(しうんざん なかやまでら) 


 寺社の種類:真言宗中山寺派のお寺(大本山)
 創建の時期:不明、開基:聖徳太子
 所在地:兵庫県宝塚市中山寺2丁目11-1
 訪問日:2006年11月2日

 

中山寺は聖徳太子により開創したというお寺です。駅前の駐車場に車を停め、阪急中山駅の線路をくぐると大きな山門があります。まだ参拝時間が始まっていないようで境内にはあまり人影もありません。

参道にはたくさんの塔頭があります。七五三参りの旗が棚引く参道を進むと、右手に本堂へ上って行くエスカレータがあります。このお寺は安産の御利益があるとのことで妊婦さんなどもお参りに来るためなのでしょうが、お寺にエスカレータは多少場違いな気もします。

壮大な仁王門
恐ろしげな顔の仁王像
恐ろしげな顔の仁王像
七五三参りの旗がひらめく参道

急な階段を登って行くと参道右手には真新しい五百羅漢堂が建っています。堂内には観音像を中心としてたくさんの羅漢像が祀られていました。

五百羅漢堂
五百羅漢
五百羅漢
五百羅漢堂

参道の左手には朱塗りの柱も鮮やかな閻魔堂が建っています。恐ろしげな顔をした閻魔大王を中心として右手に司命像、左手に司禄像が祀られています。司命は現在の検察官、司禄は書記官と言ったところでしょうか。さらのその左手には罪状秤(ざいじょうばかり)が置かれていました。秤の片方に大きな岩が結ばれて、罪の重い人を吊り下げると岩が持ち上がってしまうとか。

朱塗りの柱も鮮やかな閻魔堂
閻魔大王と司命、司録の像
罪の重さを量る罪状秤
寿老神を祀った寿老神堂
寿老神と子育て地蔵
石段の右手にはエスカレータ

正面の本堂は豊臣秀頼により再建されたと言います。本堂の軒先にはたくさんの灯篭が吊り下げられていました。

本堂
十一面観音を祀る本堂
軒には燈篭が奉納されています
急な石段を登っていくと大師堂

本堂に参拝してから参道脇に建つ塔頭を参拝して行くことにします。普賢菩薩や、虚空蔵菩薩弁財天地蔵菩薩などが祀られていました。これらの塔頭と境内の堂宇には十二支に因んだ仏が祀られていることになるのですが、これらすべてを回るのもなかなか時間がかかるようです。

参道にはたくさんの塔頭があります
虚空蔵菩薩を祭った塔頭
境内の塔頭
子安地蔵を祭った塔頭
境内の塔頭
大日如来を祭った塔頭
境内の塔頭
境内の塔頭
不動明王が祀られていました
たくさんの地蔵尊が奉納されています

 

関連記録・コース

 聖徳太子(しょうとくたいし)・厩戸皇子(うまやどのみこ)・豊聡耳 (とよとみみ)

574~622年、古代推古朝の摂政、用明天皇の皇子。推古天皇の皇太子となり摂政として内政・外交・仏教の興隆に力を尽した。

冠位十二階、十七条憲法を制定。豪族勢力を押えて中央集権的官僚国家建設の準備を整えた。外交面では任那回復のための新羅征討、小野妹子を隋に派遣して国交を開いた。

仏教を深く信仰し法隆寺、四天王寺などを建立し、仏典の注釈三経義疏を著わしたと伝えられる。

 

 十一面観音菩薩(じゅういちめんかんのんぼさつ)

六道を教化する六観音の一つ。11の顔と2臂または4臂をもった姿の観音。

 

 西国三十三観音霊場・西国三十三ヶ所

近畿地方を中心に散在する33ケ所の観音霊場。花山法皇の巡礼を創始とすると伝えられる。室町時代から民間人の参拝が増え、江戸時代に盛んとなった。

 

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574~622年、古代推古朝の摂政、用明天皇の皇子。推古天皇の皇太子となり摂政として内政・外交・仏教の興隆に力を尽した。

冠位十二階、十七条憲法を制定。豪族勢力を押えて中央集権的官僚国家建設の準備を整えた。外交面では任那回復のための新羅征討、小野妹子を隋に派遣して国交を開いた。

仏教を深く信仰し法隆寺、四天王寺などを建立し、仏典の注釈三経義疏を著わしたと伝えられる。

 

 五百羅漢(ごひゃくらかん)

釈迦没後、第一結集または第四結集に集まった、五百人の阿羅漢(あらかん)また、その人たちを祀った所。

 

 閻魔(えんま)閻魔大王(えんまだいおう)

亡者の罪に判決を下すという地獄の王。笏しやくを持ち、中国の道服を着、怒りの相をあらわした姿で描かれる。もとインド神話中の神で祖霊の王。

 

 司命(しめい)

中国において北斗七星の桝の上部にある星座文昌宮六星の第4星を司命という。人間の寿命をつかさどる天神と考えられた。道教では人間の寿命台帳を管理し、人間の行為の善悪を監視する三尸虫(さんしちゆう)や竈神(かまどがみ)の報告に基づいて寿命の増減を行う神と考えられた。

 

 司録(しろく)

中国において北斗七星の桝の上部にある星座文昌宮六星の第6星を司禄という。司命とともに冥府を代表する役人。司命は生前の罪状を読み上げ、司録は筆と経巻を執りそれを記録する姿にあらわされる。

 

 豊臣秀頼(とよとみひでより)

1593~1615年、安土桃山・江戸前期の大名。大坂城主。豊臣秀吉の次男。徳川家康の将軍就任に伴い一大名となる。方広寺鐘銘事件を端に徳川家との間に大坂冬の陣を起こす。一旦講和するが大坂夏の陣に敗れた。

 

 普賢菩薩(ふげんぼさつ)

仏の真理や修行の徳をつかさどる菩薩。智慧の文殊菩薩とともに釈迦の脇侍。白象に乗り合掌している。

 

 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)

虚空蔵菩薩を本尊として行う密教の修法。理解力・記憶力を高めるという。若き日に空海の修したことで知られる。

 

 弁才天・弁財天(べんざいてん)

インドの河神で音楽・智恵・財物の神として吉祥天とともに広く信仰された女神。

仏教に取り入れられ吉祥天と同一視されるようになった。八本の手で各種の武具を持つ像もあるが、鎌倉時代には二手で琵琶を持つ女神像が一般化した。日本では七福神の一人として民衆の信仰を集めてきた。

 

 地蔵菩薩(じぞうぼさつ)

釈迦の入滅後から弥勒菩薩が世に現れるまでの間、無仏の世に住み六道の衆生を教え導くことを誓いとした菩薩。慈愛に満ちた円満柔和な僧形で、多くは右手に錫杖、左手に宝珠を持つ。

 

 用明天皇(ようめいてんのう)・橘豊日尊(たちばなのとよひのみこと)

第31代天皇(在位:585年9月5日~587年4月9日)欽明天皇第四皇子。聖徳太子の父。天皇の仏教受容をめぐって物部守屋と蘇我馬子が対立した。陵墓は大阪府南河内郡太子町春日の河内磯長原陵。

 

 推古天皇(すいこてんのう)・額田部(ぬかたべ)・豊御食炊屋姫(とよみけかしきやひめ)

第33代天皇(在位:593年12月8日~628年3月7日)欽明天皇第3皇女。敏達天皇の皇后。女帝。崇峻天皇が蘇我馬子に殺されると推されて即位。わが国最初の女帝となる。聖徳太子を皇太子、摂政として政治を行い飛鳥文化を現出。陵墓は大阪府南河内郡太子町山田の磯長山田陵。

 

 六観音(ろくかんのん)

六観音は六道輪廻の思想に基づき、六種の観音が六道に迷う衆生を救うという考えから生まれたもの。地獄道 - 聖観音、餓鬼道 - 千手観音、畜生道 - 馬頭観音、修羅道 - 十一面観音、人道 - 准胝観音、天道 - 如意輪観音とされる。天台系では准胝観音の代わりに不空羂索観音を加えて六観音とする。

 

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 釈迦(しゃか)釈迦如来(しゃかにょらい)

仏教の開祖。世界4聖の一人。ネパール南部の釈迦族の王子として紀元前6から前5世紀に生まれる。苦行ののち悟りをひらきインド各地で布教して80歳で没したとされる。

はじめは実在の釈迦をさしたが入滅後、超人化・神格化されて信仰・崇拝の対象となる。日本には6世紀、百済からその教えがつたわった。

 

 司命(しめい)

中国において北斗七星の桝の上部にある星座文昌宮六星の第4星を司命という。人間の寿命をつかさどる天神と考えられた。道教では人間の寿命台帳を管理し、人間の行為の善悪を監視する三尸虫(さんしちゆう)や竈神(かまどがみ)の報告に基づいて寿命の増減を行う神と考えられた。

 

 豊臣秀吉(とよとみひでよし)

1536~1598年、安土桃山時代の武将。織田信長に仕え戦功をたて羽柴秀吉と名のった。信長の死後、明智光秀・柴田勝家を討ち、ついで四国・九州・関東・奥州を平定して天下を統一した。

天正13年(1585)関白、翌年太政大臣となり豊臣を賜姓。検地・刀狩りなどを行い兵農分離を促進した。明国征服を志して朝鮮に出兵したが戦局半ばで病没。茶の湯などの活動も盛んで桃山文化を開花させた。

 

 徳川家康(とくがわいえやす)東照大権現(とうしょうだいごんげん)

1543~1616年、江戸幕府初代将軍。松平広忠の長男。織田信長と結んで駿河を、豊臣秀吉と和して関東を支配。豊臣秀吉の死後石田三成を関ヶ原の戦いに破り、慶長8年(1603年)征夷大将軍となって江戸に幕府を開いた。武家諸法度などを定めて幕政の基礎を築いた。

 

 大坂冬の陣

慶長19年(1614年)冬、方広寺の鐘銘事件を口実に徳川家康が豊臣氏を大坂城に攻めた戦い。秀頼の軍の奮戦で城は落ちず和議を結んだ。

 

 大坂夏の陣

元和元年(1615年)夏、徳川方が冬の陣の和議の条件に反して大坂城内堀を埋めたため豊臣方が兵を挙げ、徳川家康らに攻め落とされた戦い。これにより豊臣氏は滅亡した。

 

 文殊菩薩(もんじゅぼさつ)

智慧をつかさどるとされる菩薩。普賢菩薩とともに釈迦に侍す。智慧の威徳を示す獅子に乗る。

 

 吉祥天(きちじょうてん)

インド神話の神でビシュヌ神の妃とされた。仏教では徳叉迦(とくさか)を父に、鬼子母神(きしもじん)を母に生まれ、毘沙門天の妃とされる。仏法を護持する天女。天衣宝冠を着け左手に如意宝珠を捧げ持つ。

 

 釈迦(しゃか)釈迦如来(しゃかにょらい)

仏教の開祖。世界4聖の一人。ネパール南部の釈迦族の王子として紀元前6から前5世紀に生まれる。苦行ののち悟りをひらきインド各地で布教して80歳で没したとされる。

はじめは実在の釈迦をさしたが入滅後、超人化・神格化されて信仰・崇拝の対象となる。日本には6世紀、百済からその教えがつたわった。

 

 弥勒菩薩(みろくぼさつ)

釈迦の入滅から56億7000万年後の未来の世に仏となってこの世にくだり、衆生を救済するという菩薩

 

 錫杖(しゃくじょう)

僧侶や修験者が持ち歩く杖。頭部は塔婆形で数個の環がかけてあり、振ったり地面を強く突いたりして鳴らす。

 

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