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あの頂を越えて

山行記録

~山頂からの展望、出会った花などの記録~

あの頂を越えて

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~山行記録:山頂の展望、出会った花~

 立山〜黒部湖を見下ろす頂は雄山神社が祀られた信仰の山〜 


標高
雄山 3,003m、大汝山 3,015m
山域
北アルプス
登山日
1997年8月10日(日)
歩行時間
10日1:00、11日6:50、合計7:50
歩行距離
11.5km
標高差
592m
累積標高差
1,078m、-1,078m
登山口
mapon立山ケーブル
交通機関
 立山ケーブル、 高原バス
登山コース
雷鳥沢ヒュッテ−雄山−大汝山−室堂
コースmap
立山 登山コース
立山 登山コース
 

富士山、白山と並び日本三名山の一つに数えられる立山は信仰の山です。雄山参拝の修験者は、白装束に身を固め寅の上刻、室堂を出発。途中の祓堂でお払いを済ませ、一ノ越から山頂を目指したと伝えられています。室堂までバスが通じた今では、早朝に首都圏を出発するとその日のうちには雄山の山頂に立てるようになりました。北アルプスの3,000メートル峰もかなり身近なものになったものです。

今年の夏休みは、立山、白山の山頂を目指す山旅です。昨日、能登の散策を楽しんだ後、近くのキャンプ場で一泊。残念ながら今日の天気は期待できそうもありません。称名ノ滝を見物して天気の回復を期待しましたが、何時までたっても天気が良くなる様子はありません。とりあえず称名川の駐車場に車を停め、ケーブルカーの立山駅へと向かうことにしました。

山行の記録

 登山コース詳細

(10日)

室堂 −1:00→ 雷鳥沢ヒュッテ(宿泊)

(11日)

雷鳥沢ヒュッテ −1:35→ 祓堂 −0:30→ 一ノ越 −0:40→ 三ノ越 −0:30→ 雄山 −0:25→ 大汝山 −3:10→ 室堂

 

 (8月10日)

 美女平〜阿弥陀ヶ原〜室堂

白い飛沫を上げる称名ノ滝

12時すぎ、ケーブルカーは満員の乗客を乗せ、標高約1,000メートルの美女平に向かい急な斜面を駆け上がって行きます。たどり着いた美女平のターミナルには、室堂行きの高原バスが待っていました。ここから室堂までおよそ50分ほど。バスは樹齢数百年と言われる美女杉の巨木の間を徐々に高度を上げて行きます。明るいブナなどの広葉樹が目立つようになると称名ノ滝の展望台です。

やがて弘法平を過ぎると広々とした草原が広がっています。晴れた日には立山の山並みが広がっていると言いますが、今は真っ白い霧に包まれ何も見えません。さらに高度を上げて行くと天狗平。ここから室堂までは真夏にも残雪が残るところ。4月下旬、冬の間運休していた高原バスが開通した直後には、高さ20メートルほどの雪壁の中をバスが走って行くと言います。観光ポスターなどに雪ノ大谷と紹介されているのはこの付近と言います。

たどり着いた室堂はたくさんの人で賑わっています。我々のように登山が目的のハイカーもいますが、ここから雄山の下を通るバスで大観峰へ。さらにロープウェイ、ケーブルカーを乗り継いで大町まで下る観光客も多いようです。

 室堂〜雷鳥沢ヒュッテ

あたりは真っ白な霧の中。時折雨も降っています。ここで待っていても仕方が無いので、室堂を散策しながら今日の宿泊地、雷鳥沢ヒュッテへ向かうことにします。

室堂ターミナルの前にはお花畑が広がっていました。すでに花の季節は終わりに近付いているようですが、イワイチョウやイワカガミが可憐な花を付けています。晴れた日には立山を湖面に映すみくりが池も今は白い霧の中に隠れ、その姿さえも見せてくれません。

痩せた尾根道を進むと閻魔台や血ノ池。ここ立山が信仰の山として栄えてきたことを今に伝える地名が続いています。雨で滑る石段を下って行くと、雷鳥沢ヒュッテです。立山の宿泊施設は室堂まで自動車道路が通じていることもあり、設備はかなり良いようです。ここ雷鳥沢ヒュッテも例外でないようで、山小屋としては珍しい温泉までがあると言います。

夕食は山としてはなかなかの美味。温泉で手足を伸ばしながら眺める立山は、白い雲が尾根を覆い、星さえもその姿を見せてくれません。明日の好天を祈りながらベッドに入ることにしました。

雲の中から顔を出す雄山の山頂
大汝山への登山道から振り返る雄山の山頂

 (8月11日)

 雷鳥沢ヒュッテ〜地獄谷〜一ノ越〜雄山

目を覚ますと外は霧。時折激い雨さえも降ってきます。朝風呂を浴びながら雨の止むのを待ってみましたが一向に雨脚は弱くなりません。仕方なく雨具に身を固め、とりあえず室堂周辺を散策してみることとします。

遊歩道は硫黄の匂いが鼻をさす地獄谷の中をたどって行きます。所々には雷鳥沢ヒュッテなどの源泉となっている、温泉の吹き出し口。ここの温泉は硫化水素などの有毒ガスが多いため、カタツムリのような熱交換器で水を温め、温泉として使っていると言います。さらにしばらく進むと、高さ2メートルほどの硫黄の墳気塔が立っていました。草木の全くない殺伐とした谷に、黄色い硫黄の塔がただ一つ。どこか違う世界に迷い込んできたような錯覚を覚える景色です。ここから急な石の階段を登って行くとみくりが池です。

みくりが池からは広い遊歩道を室堂山荘へ向います。先ほどまで降り続いていた雨も徐々に上がり、霧も晴れてくるようです。かなりたくさんの人が雄山の山頂を目指しているようです。我々も途中まででも行ってみようということで、一ノ越への登山道を登り始めました。

遊歩道のような道を進んで行くと大きな雪渓が残っています。スキーには少し小さいものの、8月の中旬に雪渓が残っているのはやはり3,000メートルの山。さらにしばらく進むと祓堂です。ここから急な坂道をひと登りすると、稜線上の鞍部に建つ一ノ越山荘にたどり着きました。山荘前のベンチに腰を下ろしひとまず小休止です。

青く水をたたえる黒部湖の上には赤沢岳と針ノ木岳
内蔵助雪渓から眺める鹿島槍

ここから山頂までは大小の岩の間を登って行く本格的な登山道になります。大きな露岩が現れると二ノ越。あえぎながら高度を上げて行くと三ノ越の指導標です。振り返ると先ほどまで視界を覆っていた霧も晴れ上がり、箱庭のような室堂平がその姿を見せてくれました。

露岩に覆われた最後の急な登りに汗を流すと、雄山頂上社務所が建つ広場にたどり着きました。すでにたくさんの人が休憩しています。雄山神社の小さな祠が祀られた山頂神社は小高い岩峰の上に建っています。従来、立山の標高は山頂社務所の傍にある1等三角点の2,992メートルとされていました。しかし最近の国土地理院の公表では、山頂神社の建つ岩峰の標高が3,003メートル。わずかですが雄山も3,000メートルを越える山の仲間入りをしたようです。

夏の間、雄山神社には神主が常駐し、神前でお払いをしてくれると言います。我々もたくさんの人に混じり神前で頭を垂れることにしました。

大走りコースの分岐から眺める剣岳
雄山直下の山崎カールは氷河の跡

 雄山〜大汝山〜富士ノ折立〜雷鳥沢

雄山からは大汝山へ向かうこととします。雄山の岩峰の下を巻くようにして縦走路を進んで行くと、大汝山直下の岩場に差し掛かります。大きな岩の間から大汝山の頂上に立つと、目の前に緑色の水をたたえた黒部ダムを挟み後立山連峰。振り返るとすっかり晴れた夏空の下に室堂平が広がっています。

山頂直下には真夏というのに大きな雪渓が残っています。雪渓を吹き抜ける冷たい風は、少し疲れた体には心地よい風です。この岩の上に腰を下ろし、雷鳥沢ヒュッテで用意してくれたお弁当の昼食としました。

昼食の後、岩畳の中に続く縦走路を富士ノ折立へと向います。富士ノ折立はあまり目立たない小さな頂で、指導標がなければ見落としそうなところです。

急な坂道を下ると、登山道はアップダウンの少ない快適な道となります。やがて右手には白く雪を残した内蔵助雪渓。この雪渓は真夏でも雪が消えることがないと言われています。最近の調査で雪の下から採取されたハイ松の枝片は1,500年も昔のものとか。このことから、この雪渓は日本では数少ない万年雪の雪渓のようです。正面に見える縦走路上の頂は真砂岳と別山。その向こうには山頂を雲に隠した剣岳がそびえています。さらにその右手には鹿島槍から白馬岳にかけての稜線が見えていました。

浄土山とその裾に続く登山道は一ノ越に
たどり着いた雷鳥沢

ここからは、真砂岳、別山、別山乗越をたどり、雷鳥沢に下る予定でした。しかし雨で出発が遅くなったこともあり、途中の大走りコースをたどり雷鳥沢に下ることにします。真砂岳手前の鞍部から広い稜線上の道を雷鳥沢へ下りはじめます。しばらく下ると可憐な花が咲き乱れるお花畑の中を下る道。すでに花の盛りは過ぎているようですが、それでもシナノキンバイやイワイチョウなどが可憐な花を付けています。振り返ると今たどってきた雄山から大汝山の稜線が、真っ青に晴れ渡った夏空の下にそびえていました。

やがてハイ松帯の中をたどるようになると雷鳥沢。岩場でハイカーが数人、息を凝らして何かを眺めています。聞けばオコジョが岩の中にいると言います。岩の中からこちらを眺めているその姿はなかなか愛らしいものです。お花畑の中の道をたどって行くと浄土沢。小さな木橋を渡ると雷鳥沢ヒュッテは目の前です。今朝、ヒュッテを出発してからすでに8時間。そろそろ足も重たくなってきたようです。

 室堂〜美女平

たどり着いた室堂の前には、立山トンネルから引いているという延命水が湧き出していました。疲れた体にはなかなかの美味です。室堂のバスターミナルからは15分ほどの待ち合わせで美女平行きのバスが出ると言います。バスは立山の名所をビデオで紹介しながら美女平を目指して下って行きます。振り返ると真っ青に晴れた夏空をバックに、立山の峰々が我々を見送ってくれていました。

Panorama
雄山から見下ろす室堂平は箱庭のようです
大走りコースから見上げる雄山の山頂と山崎カール
雷鳥沢から見上げる立山の稜線
室堂平から見上げる3,000メートルの稜線
写真をクリックすると大きな写真を表示します。
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TAG:立山・剱岳
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